症状の進行停止に向けて 2014年10月

脊髄小脳変性症3型(SCA3)は 、 脱 ユビ キ チン 化酵素アタキシン3内のポリグルタミン伸長によって引き起こされる神経変性疾患である。

現時点ではこの致死的疾患に有効な治療法はないが、SCA3では変異アタキシン3蛋白質の濃度低下が疾患の回復、あるいは疾患の進行停止をもたらしうるという仮説が研究で裏付けられている。

本研究では、RNA干渉を用いてin vivoでATXN3の発現調節を試みた。ヒトATXN3の3末端非翻訳領域(3’UTR)を 標 的 と す る 人 工 マ イクロRNAミミックを 開 発し 、 組 み 換 えアデノ随 伴 ウイルスを使ってヒトの疾患遺伝子の全長を発現する遺伝子組み換えマウス(SCA3/MJD84.2マウス)の小脳にこれを送達した。抗ATXN3マイクロRNAミミックは、SCA3/MJD84.2マウスでのヒトATXN3の発現を効果的に抑制した。

短期間の治療で、形質導入されたSCA3/MJD84.2マウスの小脳から変異アタキシン3の核内異常蓄積が完全に取り除かれた。

解析からは、SCA3/MJD84.2マウスの小脳で特定のマイクロRNAの定常状態濃度が変化することも明らかになった。

この変化は、これまでに知られていないSCA3の分子表現型であり、変異アタキシン3の発現に依存するとみられる。

今回の知見から、ATXN3の発現停止に向けた分子治療の非臨床開発がSCA3に対する有望なアプローチとして支持され、マイクロRNAの脱調節がSCA3発病のサロゲートマーカーとなり得ることが示された。

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